国際的に有名な白馬スキージャンプ場
長野県白馬村にある白馬スキージャンプ競技場は、平成10年に行われた長野オリンピックの競技会場となったスキージャンプ競技場です。全長318mのノーマルヒル、全長385mのラージヒルを併設している日本唯一の施設で、スキージャンプの選手たちが、冬だけでなく夏も練習を行っています。オリンピック以降も、全日本選手権や各種国際大会を開催しており、国際的にも有名な白馬スキージャンプ競技場。競技場を訪れる観光客も、スタートタワーに登ったり、長野オリンピック関連の資料を展示したオリンピックギャラリーを見学することができます。今回は観光客が見学できるルートや白馬の雄大な大自然に触れ、長野オリンピックの感動が蘇る白馬スキージャンプ競技場について迫っていきます。
自然破壊を最小限にする努力がはかられた白馬スキージャンプ場
白馬スキージャンプ競技場は、北アルプスの麓に建設された巨大な施設です。長野オリンピック誘致のために平成2年から始まった白馬スキージャンプ競技場の建設は、自然環境に配慮して工事が進められました。通常であればジャンプ競技場のジャンプ台は、かなり急斜面になるので、山を深く削って基礎を作ります。しかし、豊かな自然に恵まれた白馬村では、自然に群生するかけがえのない生態系を破壊するような建設工事は避けなければなりませんでした。その結果、トンネルを掘って基礎を作るトンネル工法が採用され、地盤の採掘を最小限にしました。トンネル工法という高度な技術を要する建設工事をすすめた結果、白馬スキージャンプ競技場の周辺には植物や四季の花々が咲く生態系が維持され、自然と共生する美しいスキージャンプ競技場が平成4年に完成しました。
北アルプスの大自然に囲まれた白馬スキージャンプ場
北アルプスの唐松岳、八方尾根の麓に建設された白馬スキージャンプ競技場は、標高800mほどのところにあり、北アルプスの素晴らしい山々を眺めることができます。大自然に囲まれた白馬の清涼な空気を吸いながら、ラージヒルとノーマルヒルの間にある傾斜のきついリフトに乗っていくと、約4分でスタートタワー入り口に着きます。スタートタワーの内部には、エレベーターがあります。高さ59.1mある4階建てのスタートタワーの最上階には展望台があり、ラージヒル・ノーマルヒルの二つのジャンプ台と白馬村の町並みを展望できます。ウィンタースポーツや登山の拠点として、また夏の避暑地として、別荘やペンションなどの宿泊施設が多い白馬村ですが、スタートタワーの展望台からはこれらの建造物の他に、田園風景も見えます。北アルプスの山々に囲まれた細長い盆地に展開する水田はとても美しく、特に田植えの時期の水田は輝いて見えます。
長野オリンピックの感動が蘇る白馬スキージャンプ場
スタートタワー3階からラージヒルのジャンプ台まで鉄フェンスの連絡通路を通ります。そして高い所が苦手な人は尻込みするような足下が見える急傾斜の階段を登りきると、スタート地点間近の見学場所に辿り着きます。目の前に急傾斜のスリル満点のジャンプ台があるこの場所は、日時が合えば選手たちの練習風景なども見学できます。中2階には、平成10年にあった長野オリンピックを展示するオリンピックギャラリーがあります。スキージャンプ団体の岡部、斎藤、原田、船木の4選手が表彰式で嬉しそうな表情をしているパネルや、「漆」が使われた長野オリンピックのメダルなどが展示されています。昭和生まれの方なら長野オリンピックの感動が蘇ってくる場所ではないでしょうか。4万5千人の超満員の観客が見守る中、スキージャンプ団体の4人の選手は、悪天候やプレッシャーに悩ませながらも金メダルを獲得した試合は、後々までの語り草になりました。
たくさんの感動が生まれた白馬スキージャンプ競技場
2階にはノーマルヒルへの連絡通路があり、ノーマルヒルのスタート地点からのリアルな光景を体感できます。急傾斜を滑走してジャンプするのですから、ジャンプ選手の並々ならぬ能力を感じずにはいられません。帰りのリフトはジャンプ台を背にして、急傾斜を下ります。腰掛け程度のガードがないリフトなので、少々怖さを感じる方もいらっしゃるかもしれません。リフトを降りた所にスキージャンプ競技場を背景に表彰台に乗って記念撮影するコーナーがあります。表彰台を背景にスキージャンプ競技場、北アルプスの山々が見えます。ここで、多くのスキージャンプの競技大会が行われ、多くの感動が生まれたのだろうなと思うと感慨深くなります。
数々の主要大会の実績があり、大自然に囲まれた巨大施設の白馬スキージャンプ場
平成10年の長野オリンピック、数々の主要大会を開催していき、スキージャンプ競技の一大拠点となった長野県白馬村。冬のスキーシンズンはもちろん、夏は避暑地として別荘地やペンション、宿泊施設が立ち並ぶこの地は、長野がオリンピック開催地として正式決定した翌年の平成4年には、雪のないシーズンも利用できるオールシーズン化が実現し、トップアスリートから時代を担うジュニア層まで多くの選手が、一年を通してトレーニングに訪れるようになります。夏の終わりには、薄紅色のフヨウ花が咲き、秋は紅葉が白馬スキージャンプ場を包み込みます。このような美しい自然の風景は、トレーニングに励む選手たちの心を和ませているのではないでしょうか。北アルプスの自然の恵みをたくさん受けた土地に立つこの巨大な競技場は、そのポテンシャルも大きいものがあります。皆さんも、オリンピックや数多くの国際大会が行われたレガシーを持ち、まわりの大自然と共生する巨大施設、白馬スキージャンプ競技場を訪れてみてはいかがでしょうか。
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