梅を愛で、梅に浸る みやま市山川町のお座敷梅

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お座敷梅
例年1月下旬から3月上旬に開催される山川町のお座敷梅

豪華な梅の花の観賞会

農業が盛んで、山川みかんや竹の子の産地として有名な福岡県南部に位置する、みやま市山川町。この山川町は、盆栽梅の西日本最大の産地としても有名で、梅の花が開花する時期になると、お座敷梅を開催します。お座敷梅とはその名の通りお座敷に梅を飾ったユニークでかつ贅沢な芸術です。盆栽梅を日本家屋の部屋一面に並べると、その美しさに圧倒され、古き良き日本の伝統に酔いしれます。屋内の展示ですので、雨の日でも心置きなく観賞できるところも嬉しいです。例年1月下旬~3月上旬になると、鉢植えの豪華な梅の花を見ようと、日本全国からたくさんの観光客が訪れ、辺りはすがすがしい梅の香りに包まれます。今回は、山川町のお座敷梅として有名な青輝園と梅花園をご紹介します。そして、梅の桃源郷とも言えるような光景を生み出している盆栽梅の魅力に迫っていきましょう。

梅花園

梅花園のお座敷梅

①先祖代々から培われた高い栽培技術

約200鉢の梅の盆栽がお座敷に並び、庭にある大きなしだれ梅が、訪れた人を魅了する梅花園。先祖代々から盆栽梅と五葉松を生業とし、高い栽培技術で、種の段階から丹精込めて育ててきた作品を展示・販売しています。梅の他にも、農林水産大臣賞を受賞した樹齢80~230年の五葉松の盆栽を、約300鉢も保有しています。梅花園の作品には、凛々しく力強い生命力が感じられ、とても見ごたえがあります。

梅花園の見事なしだれ梅

②圧倒される大きなしだれ梅

梅花園に入園すると、お座敷梅のある日本家屋の目の前にある庭に、樹齢約150年もする大きなしだれ梅があります。高さ約5.5m、枝張り約10mもの大きさがあり、満開の時に見る梅は、空から梅の花が降ってくるような感覚になります。たとえるなら数万発の花火が一斉に打ち上げられたような圧倒される美しさが、そこには存在します。

生命力あふれる梅花園の盆栽梅

③盆栽梅が共演する日本家屋

お座敷梅のある日本家屋に入ると部屋中に梅の花の良い香りが充満しており、100畳敷のお座敷いっぱいに飾られた赤・白・ピンクと色とりどりの梅たちがそれぞれの美しさを共演します。お座敷梅はもともと梅花園の母屋に置いていたのですが、盆栽の梅が成長するにつれ、母屋では手狭になったため、新たに観梅用の施設を建設することになりました。古くから日本人が愛でてきた梅と新たに造られた観梅用の日本家屋。純和風のテイストがとてもマッチした景観となっています。お座敷には、大小さまざまな盆栽梅が展示されていますが、作品を傷めないように細心の注意を払って配置されています。特に高さ2m以上・重さ約250kgの盆梅は、搬入に6人を要するなど大変な労力を要します。元来、地中に根をはっている梅の木をまるごとお座敷に持っていくわけですから、並々ならぬ生命の迫力を感じます。

青輝園

青輝園のお座敷に飾られた梅と松

①200年以上の歴史を誇る青輝園

青輝園は、約2000坪の敷地に2m以上の巨木や樹齢数百年の盆栽梅、五葉松などの巨大盆栽が多数あります。江戸時代に立花藩の庭師を務めており、200年以上の歴史を誇ります。全国的に珍しく平安時代からあったとも言われる古代紅鶯宿や数百品種の梅を保有しています。青輝園は、多品種で他用途にわたる梅を展示・販売しており、さながら梅の持つさまざまな可能性を、提案する総合商社のような感じがします。

白の梅の共演

②昭和37年から続く一般公開

梅が開花する例年1月下旬~3月上旬に、青輝園では「御座敷梅梅林観梅会」と銘打ちましてお座敷梅が一般公開されます。江戸時代から楽しまれてきたお座敷梅ですが、大がかりなお座敷梅の一般公開が始まったのは、昭和37年に青輝園が始めてからになります。現在では、お座敷に樹齢60~300年の盆栽の梅約200鉢を展示しています。

盆栽が古民家いっぱいに飾られる

③盆栽梅と古民家が醸し出す景観

さまざまな特徴のある盆栽梅を運ぶのは至難の技ですが、青輝園は新聞社の取材に対して、「室内においたほうが天候の影響を受けにくいため、鮮やかな色が長く持つ」と述べていまして、梅に対する並々ならね愛情が感じられます。昭和初期に建てられたレトロ感漂う古民家の座敷に、長い年月を経た趣のある盆栽梅。青輝園独特の景観を味わってみてはいかがでしょうか。

樹齢約250年の五葉松「青龍」

④五葉松やユリでも有名な青輝園

青輝園の入口には樹齢250年の「青龍」という名前の五葉松の盆栽があります。壮大な龍を思い起こさせるほどの豪快さがあり、龍が天に舞い上がりそうな感覚になる盆栽です。他にもたくさんの五葉松の盆栽がありますので、ゆっくりご覧になってはいかがでしょうか。青輝園は、ユリの栽培でも有名で、自然界で絶滅寸前という世界最大の花弁を持つサクユリをはじめ、数十種約4000本ものユリを保有しており、見頃の夏になると、可憐なユリの花が咲き乱れます。

天に向かって燃える梅

行ってみて、自然美の良さを感じでみましょう

福岡県みやま市山川町のお座敷梅として、梅花園と青輝園を、取りあげてきましたが、両園とも隣接しているので見学がしやすい環境にあります。また、この2つの園は兄弟で経営しており、昔からの伝統を受け継いだそれぞれの良さがにじみ出る盆栽を展示しています。文章では伝えられない、作品からにじみ出る良さがありますので、是非、行ってみて自然美を感じ取ってみてください。

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