九十九島の絶景を見渡せ、かつて軍事的要衝だった俵ヶ浦半島の急峻な山地にある展望台、佐世保の豊かな自然に囲まれ海の幸や秋のコスモスに代表される四季折々の楽しみを堪能できる展海峰

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コスモス

南九十九島の大パノラマを収めとる展望台

長崎県佐世保市にある展海峰は、佐世保港と九十九島海域を隔てる俵ヶ浦半島の中央部に位置し、208の島々からなる九十九島の景観を南の方角から一望できる展望公園です。九十九島は、展海峰のある俵ヶ浦半島から長崎県平戸市までの約25kmに至る海域にあるリアス式海岸の島々です。独特の形状が美しい島がたくさんあり、九十九島海域に浮かぶ島の密度は日本一と言われています。九十九島は大きく北九十九島と南九十九島に分かれ、展海峰は、海抜165mの高所から南九十九島の大パノラマを収めとることができます。そして展海峰は、春は菜の花、秋はコスモスが1ヘクタールある敷地内の花畑で咲き誇ります。その数は、約15万本にもおよび、展海峰を訪れた人々に春や秋の風情を楽しませてくれます。今回は、絶景ビューポイントである展海峰と眼下に広がる九十九島、そして秋に咲き誇る敷地内のコスモスについて取り上げていきます。

九十九島の展望台の中でも比較的遅く整備された展海峰

南九十九島の有名な展望所としては、展海峰の他に石岳展望台、船越展望所とあり、違った方角、角度から南九十九島を楽しむことが出来ます。展海峰は南側から島々を見ることのできる絶景ポイントにもかかわらず、開発は比較的遅く昭和56年に整備されました。開発が遅れた要因としては、他の展望所と比べ佐世保市街地から遠かったこと、俵ヶ浦半島の中央を貫く山地にあり傾斜地でもあったために、整備に多額の予算が必要だったことなどが挙げられます。

展開峰から佐世保港方面を望む

軍事的に重要だった俵ヶ浦半島

展海峰のある俵ヶ浦半島は、かつては軍事的に重要な半島でした。佐世保は、明治時代から軍港として栄えた港町であり、佐世保の海軍基地に停泊する艦船を防衛する上で、俵ヶ浦半島の存在は極めて重要でした。日本軍は半島の先端部分に、高後崎、小首、丸出山に砲台や堡塁を築き、敵国艦船の動向に目を光らせるようになります。そのため軍事施設の近くにある展開峰をあえて観光開発しなかったということも考えられるのではないでしょうか。しかし現在は軍事技術が進歩したこともあり、佐世保に停泊している米軍や自衛隊の艦船を防衛する目的としての俵ヶ浦半島の重要性は、かつてと比べてかなり低下しています。

烏帽子岳を遠くに望む九州本土側の南九十九島

魚介類の養殖が盛んな九十九島

九十九島の海域は、島々の深い緑と大地の養分がたっぷりと流れ込んだ場所で、多様な生き物が生息しています。そんなたくさんある栄養を生かして、魚介類の養殖が九十九島では盛んに営まれています。大正時代に真珠の養殖をきっかけに始まった養殖は現在、フグ、ハマチ、ヒラス、タイ、カキなどの多種に広がっており、地元の漁業者をはじめ、住民に生活の糧や場を提供してくれる「恵みの海」でもあります。九十九島の養殖業者は、異常気象などの試練を乗り越え、平成24年と25年は、養殖トラフグの生産量が日本一になりました。全国に販路を拡大している九十九島の養殖魚介類は、高い評価を得ており、「九十九島ブランド」も確立しつつあります。佐世保市街地には、九十九島海域などの周辺の豊かな海の幸の食材を使った飲食店が多数ありますので、佐世保を訪れた際は、新鮮な佐世保の魚介類を堪能してみてはいかがでしょうか。

美しい自然が展開する展海峰

数えきれないほどのたくさんの島々で構成する九十九島は、島々の海岸線の81.5%にあたる288.5kmが自然海岸のままで保全されており、美しい風景が広がっています。また九州本土に目を移すと、富士山のような美しい姿の烏帽子岳を望むことができます。展海峰は、そんな美しい風景を展望する九十九島を代表する展望台です。視界を遮らないようにシンプルな構造をしている展望台は、眼下の景色を180度の大パノラマで眺めることができ、自然がつくり上げた美しさに圧倒されます。

展海峰にある田中穂積の銅像

展海峰で「美しき天然」を想う

九十九島の絶景が望める展海峰の展望台の下には、田中穂積の銅像があります。海軍の軍人であり、作曲家でもあった田中穂積は、海軍の佐世保鎮守府に赴任中、代表曲「美しき天然」を作曲します。日本初のワルツであり、哀愁漂う短調曲である「美しき天然」は、田中穂積の没後の大正・昭和期に、サーカスやチンドン屋が演奏するようになり、広く日本国民に親しみを持たれる曲になりました。展海峰の自然の景観を背景に聴く「美しき天然」は、なかなかの味わいがあります。

展海峰の花畑に咲くコスモス

展海峰で、秋を見つける

展海峰の展望台の近くにある花畑には、秋になると約15万本ものコスモスが咲き誇ります。澄んだ秋の空に九十九島の絶景とじゅうたんのように鮮やかに咲くコスモスは、どちらも心洗われるような洗練された美しさがあります。例年10月中旬から10月下旬頃がコスモスの見頃で、臨時駐車場が設けられるほど、大勢の人々が秋を見つけに訪れます。

魅力に富んだ展海峰に行ってみましょう

佐世保市街地からの険しい山道を登ったところにある展海峰は、俵ヶ浦半島の急峻な山地を造成して出来た展望台です。展海峰からの眺めは抜群で、九十九島の絶景だけでなく、佐世保港や佐世保市街地、天候が良ければ平戸や遠く五島列島まで見えます。傾斜地が続き、生活をするには不便な土地ですが、日常とは切り離された絶景がそこには展開し、半島という地の利がたくさんの変化に富んだ風景を見ることができます。そんな絶好の展望台である展海峰に彩りを与えるのが季節の花々です。春は菜の花、秋はコスモスが花畑に咲き乱れ、絶景の地に、季節の絶景を添えている光景は一見の価値があります。皆さんも展海峰を訪れてみて、その魅力を発見してみてはいかがでしょうか。

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